第2特集に取り上げたエピソード以外にも、いろいろな夫婦の話があります。
今回は気が付かないうちに心が悲鳴を上げ、離婚を選択した宮坂さんのお話ーーー。

離婚という選択をして、小学生の双子の息子2人とともに新しい人生を歩みだした宮坂リコさん。夫の姓のままですが「新しい宮坂になったんです!」と明るいショートヘアの肝っ玉母さん。
「離婚の原因はいわゆる価値観のちがい。元夫も私も教師なんですが、夫は家族に対してまったく関心がありませんでした。家にいるときはとにかく不機嫌で、何が理由なのか、それさえもわからなくて……」。
共働きでしたが、子どもたちのこと、家のことはすべて宮坂さんが。夫は常に「きみは子どもにしか興味がない。それならぼくも好きにさせてもらう」と。ことあるごとに自分の育った家と比較し、家事ができていない、料理がまずい、母親としてなっていないと、宮坂さんを責めました。「今思えば、いろいろ結婚前から思い当たることはありました。夫の両親はとにかく一人息子の夫がかわいいようで、ひとり暮らしの夫に毎日のように電話をし、夫もそれに甘えるように、毎週末車を2時間走らせて帰っていました」。
子どもたちに不安な思いをさせてはいけないと、とにかく家の中では明るくしていようとがんばっていたリコさん、あるときプツンとそれができなくなってしまったと言います。「何を食べてもおいしくない、ただただ涙がこぼれて……」。
そうなってはじめて実家の両親に家族のことを伝え、いっしょに病院へ。うつの診断でした。「これもひとつのDVだったんだと思います。でもそのときは気づかなかったんです。自分がいけない、もっと努力しなくちゃってそれしか思いつかなくて。子どもたちにも心配をいっぱいさせていたと思うんです」。その後、カウンセリングにも通い離婚を決意。「修復という道もあったのかもしれませんが、やっぱり無理だと思って6年生になった息子たちに伝えました。すると『父さん、ぜんぶ母さんのせいにしていたでしょ。それくらいわかっているよ』と言ってくれて」。
「手続きや、家のローンのこと、お金のことって離婚するとほんとうに大変なんですよ! でも、結婚していたころの私は、私じゃなかったと思うんです。それを思えばね!」今のリコさんの支えは思春期にさしかかった息子2人と、保育園時代をいっしょに過ごしてきたママ友たち。「離婚してもうすぐ1年。母子でも立派な家族って自分で思えるようになってきて、元気になってきたな私って感じています」。
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